こんな利用方法もありますよ

こんな

障害福祉制度の重度訪問介護を使って長時間連続のヘルパーを使い、自分に慣れたベテランヘルパーを確保して社会に参加しながら生活をしているALS患者が増えています。

ここでは秋田の事例を掲載しましたが、同様に長時間のヘルパー制度を(重度訪問介護制度を使うことによって)利用しているALSなどの最重度障害者は、全国47都道府県中、過半数の都道府県にいます。

また、例えば、毎日20時間以上の重度訪問介護を利用している重度障害者は全国37都道府県にいます。

毎日24時間(月744時間)の公的な介護制度を受けている最重度障害者が1人以上いる都道府県=黒塗りつぶし

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障害福祉の介護制度は、1人1人の身体の状況や同居家族の状況等を加味してサービスの時間数が市町村によって決まる制度です。介護保険とは違い、サービスに一律の上限はありません。ヘルパー等の制度の根拠法律である、障害者自立支援法では、市町村の責任として、障害者が自立した生活ができるようなサービスを決定することが書かれています。

もちろん、これを守っている市町村もありますが、多くの市町村では障害福祉担当課は庁内で後ろ盾の議員も(土木建設部門などと違って)少なく、必要な予算を財務部門を説得して確保する努力がなされていないため、予算不足で法に従ったサービスを実施していません。しかし、重度の障害者自身が市町村の課長などに交渉して「命に関わる大変な状況」を粘り強く長期にわたって毎月説明していくことで、制度が改善していきます。実際、今回紹介した秋田でも、最初は介護保険だけで、障害福祉の重度訪問介護は0時間でした。粘り強く交渉していくことで、時間数が伸びていきました。

ある最重度障害者の1週間のサービス利用形態

(毎日21時間の重度訪問介護と3時間の介護保険訪問介護を利用)

月曜

火曜

水曜

木曜

金曜

土曜

日曜

7:00

1500

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

1500

2300

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

2300

700

非常勤ヘルパーX

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

80093017001830が介護保険訪問介護。それ以外の時間はすべて障害施策の重度訪問介

市町村と交渉して制度の改善を

重度訪問介護などヘルパー制度の24時間化ですが、長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責任があります(障害者自立支援法2条第1項)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。

 自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫負担がつきます。

 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、必要なヘルパー制度の補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。

 

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