月別アーカイブ: 2013年6月

こんな利用方法もありますよ

こんな

障害福祉制度の重度訪問介護を使って長時間連続のヘルパーを使い、自分に慣れたベテランヘルパーを確保して社会に参加しながら生活をしているALS患者が増えています。

ここでは秋田の事例を掲載しましたが、同様に長時間のヘルパー制度を(重度訪問介護制度を使うことによって)利用しているALSなどの最重度障害者は、全国47都道府県中、過半数の都道府県にいます。

また、例えば、毎日20時間以上の重度訪問介護を利用している重度障害者は全国37都道府県にいます。

毎日24時間(月744時間)の公的な介護制度を受けている最重度障害者が1人以上いる都道府県=黒塗りつぶし

障害福祉制度の重度訪問介護を使って長時間連続のヘルパーを使い_html_m9f39d84

障害福祉の介護制度は、1人1人の身体の状況や同居家族の状況等を加味してサービスの時間数が市町村によって決まる制度です。介護保険とは違い、サービスに一律の上限はありません。ヘルパー等の制度の根拠法律である、障害者自立支援法では、市町村の責任として、障害者が自立した生活ができるようなサービスを決定することが書かれています。

もちろん、これを守っている市町村もありますが、多くの市町村では障害福祉担当課は庁内で後ろ盾の議員も(土木建設部門などと違って)少なく、必要な予算を財務部門を説得して確保する努力がなされていないため、予算不足で法に従ったサービスを実施していません。しかし、重度の障害者自身が市町村の課長などに交渉して「命に関わる大変な状況」を粘り強く長期にわたって毎月説明していくことで、制度が改善していきます。実際、今回紹介した秋田でも、最初は介護保険だけで、障害福祉の重度訪問介護は0時間でした。粘り強く交渉していくことで、時間数が伸びていきました。

ある最重度障害者の1週間のサービス利用形態

(毎日21時間の重度訪問介護と3時間の介護保険訪問介護を利用)

月曜

火曜

水曜

木曜

金曜

土曜

日曜

7:00

1500

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

1500

2300

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

2300

700

非常勤ヘルパーX

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

常勤ヘルパーA

8時間

常勤ヘルパーB

8時間

常勤ヘルパーC

8時間

常勤ヘルパーD

8時間

常勤ヘルパーE

8時間

80093017001830が介護保険訪問介護。それ以外の時間はすべて障害施策の重度訪問介

市町村と交渉して制度の改善を

重度訪問介護などヘルパー制度の24時間化ですが、長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責任があります(障害者自立支援法2条第1項)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。

 自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫負担がつきます。

 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、必要なヘルパー制度の補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。

 

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ヘルパーの「痰吸引と経管栄養の基本研修」

研修期間の申込用紙には、ケアの対象者が決まっていることを前提にして、基本研修と実地研修を行っているところがあるようで、事務局にも問い合わせがありましたので、基本研修だけ早期に受けておくことができるようにと要望しました。

以下のように、厚労省障害福祉部 高木専門官へ問い合わせをしました。

「喀痰吸引の第3号研修ですが、自治体の申込書を見ると、第3号研修の申し込み書に「特定の者」の氏名を記入するようになっているところがあります。これだと、申し込むときにこれから入る患者さん(特定の者)が決まっている必要があります。

でもこの手順だと、急な呼吸器装着や急な退院の時にはとても間に合いませんので、(基本研修の機会が少なく、次の研修が1年後の場合もあるため)
患者が決まっていなくても「基本研修(講義〜シュミレーション)を先に受けておき、喀痰吸引と経管栄養が必要な患者が出たら「実地研修」を受けて、すぐに在宅での医療的ケアに対応できるようにして欲しい、という意見が寄せられました。

「基本研修と実地研修はセットで申し込まないといけないのでしょうか?また、特定の者が居なくても基本研修だけを先に受けておくことはできるのでしょうか?
同じヘルパーが複数の患者へ医療的ケアを行う場合、基本研修は一度受けておけば、2人目以降は実地研修のみを繰り返し受けるので良いのですから、逆に、先に基本研修だけを受けられるのではないかと考えました。」

これに対して以下のようにお返事が来ました。

「今後、自治体からのご質問が来た場合は以下のように回答します。

基本研修を受講する段階では必ずしも「特定の者」が決まっていなくとも受講可能である。」

 

胃ろうの造設

胃ろうの造設

                                

                                ALS患者 長尾義明

このままで治まれば、「正月には家に帰れるかな」と言っていたが、安定剤をおしりから入れようとした矢先に全身に痙攣が起こり呼吸停止し、人工呼吸器を装着した。後は点滴のみの生活だった。空腹は点滴だけでは満たされず、毎日の空腹に絶えきれずに、胃ろう造設を希望したので平成6年1月6日に胃ろうを造設した。胃ろうがどんなものか知らないが、ここまで来たらどうにでもしてくれ、高いところから落ちて死ぬよりましだ、との思いから空腹が満たされると言うことだけで飛びついた。オペ室に入ったら腹の上にグリーンのビニールシートを置き「ここかな」と印を付けて、ビニールは印を中心に十字に切った。「間違えるなよ」と心中で思っていたがオペは5分くらいで終わり部屋に帰ると念願のエンシュアが待っていた。腹が満たされると気持ちも落ち着き、その夜はよく眠れた。その頃の胃ろうの管は尿を取る管を代用していて腹の上には20センチあまりの管が出ていたため、体位交換をする度ブラブラして痛かったのを覚えている。管の先端の方は45度に切っておかないと、薬などよく詰まる。在宅に入ってからの胃ろう交換はバルーンの水を抜いて差し替えるだけの簡単なもので、妻がしていましたが、それでも怖いと言っていました。主治医の先生が「僕はよう換えん」と言うので仕方なかったのです。この頃のアクシデントは水の入ったバルーンがよく裂けていたことで、横にいても聞こえるくらいの音でした。10年前までそれを使っていました。気管の方はあまりトラブルも無かったのですが、胃ろうには随分泣かされました。

上の図は、私の使っている胃ろうバルーンカテーテル(スムーズボタン)です

胃ろう造設して4年くいはトラブルばかりがありました。尿管から胃ろうバルーンカテーテルに換えましたが、12年前くらいから肉芽が出はじめました。1年から2年毎にレーザーで焼き取りするのも12回はいいかと思いますが、私みたいに67回切ると皮膚が出来る間もなく、皮膚も薄くなると思います。若いときなら5分も間をとると、皮膚の収縮が早く入れるのに難儀するそうです。肉芽が出るたび痛くなり、毎年取るたびに痛みが増してきました。そのうちチューブを太くしたら2年くらいは痛みがなかったのですが、体位交換や動くたびに穴が大きくなるのでしよう。また以前のようになりました。和歌山の友達がボタン式の胃ろうをしていましたので、メールで聞くと、調子が悪く横にまた穴を開けたそうで、「痛くて死ぬかと思った」と気絶した事もあったようで、胃ろうの怖さをこんこんと書いてきてくれました。私もこんなに痛いのなら、横に穴を開けようと思っていただけに大きなショックを受けました。私は2年前に肉芽を焼きに行ったが、焼け火箸で焼かれるような痛みがあり、病院から帰りの車の中でヘルパーさんに「ガーゼを除けて」と言ってガーゼを除けたら少し落ち着きましたが、その夜の痛かったこと、今思い出しても寒気がする程です。夜中の12時過ぎにチクチク痛みだし、また来たなと思いつつ呼ぶことも出来ずに我慢していましたが、段々痛みが激しくなってきました。そんな時は昔痛い目に遭ったことを思い出すものです。小学校4年の時薪を取って帰り、厚カマを杭に刺すつもりが、滑って左手の人差し指を落とした。皮だけでブラブラしていたので、元に戻して右手で押さえ、白味噌の瓶から味噌を取ってきて、団子にしたまま味噌で指を押さえ、 そのままモーター小屋まで走ったものの途中血がポタポタ落ちながら、小さな小屋に入った。中は藁を天井まで入れてあり子供しか入ることが出来なかた。      

そのまま藁に潜り、「指よくっついてくれ」と願いつつ、気が付いたら外は明るくなっていました。そのころはカマやナタで切ったら、直ぐに付けたらくっつくという話をよく聞いていたが、目の前で親指を落とした人が、反対にくっつけていたので、医者に切り取って貰って義指になったと聞いた事もあります。あの時も痛かったが中学になり、駅伝や長距離だけでは退屈で、棒高跳びの練習をしていたら、助走が悪く反対に戻ってきて、手首の骨を2本とも折った。もっと真面目にやれば良かったのに、半分ふざけてやっていたら痛い目に遭いました。そんなことを思い出しながらいたら、4時になり意識がもうろうとしたまま、それからは痛みを堪えるだけで記憶になかった。胃ろうといえども軽く見てはいけないことを、イヤと言うほど知らされました。しかし胃ろうのトラブルは無いという人もいます。                                      

いつもはテラコートリル軟膏を塗るのに、その日はリンデロンVG軟膏を塗ったらしい。リンデロンVG軟膏は簡単に塗るものではないと思いました。

そんな痛い目に遭ったから他の病院に相談したら、翌日すぐに来てくれました。その医師は胃ろうに詳しく「肉芽は切ると穴が大きくなるだけです」と言われ胃ろうのことを詳しく話してくれました。「肉芽は生きている間次から次に出来るので肉芽が出来るたびに焼いていたら、肉芽の周りの肉は全部焼いてしまうことになりますよ」と言われ、考えてみれば私のような素人でも分かることだと思いました。

私の肉芽の対処方法は、トロミ剤(市販品)を入れて漏れを無くすことにより治しました。私は朝、エンシュア500ccとお茶400ccを飲んでいまが、夕方3時にも同じ量を飲んでいます。1日2回のエンシュアとお茶にトロミ剤をスプーンでそれぞれ2杯ずつ入れて注射器で入れました。早く入れても大丈夫です。(トロミは1日8杯です)この方法で漏れが収まり、すぐに痛みは無くなりました。その後10日くらいトロミ剤を半分の量にして入れ、(朝は以前のようにボトルで入れて、夕方はトロミ剤を入れる)続けて10日くらいは、トロミ剤の量を半分の量に調整(お茶だけトロミ剤を入れる)しながら減らして入れました。後10日くらいすると胃液の漏れは完全に止まりますが、止まらなかったらトロミ剤を2杯、止まるまで続けて下さい。調整が必要なのは、便の回数が多くなるからです。

胃ろうの周りは洗浄をしていつも清潔にするべきです。異物があるときは、綿棒で血が出ても取り除いて下さい。血が出ても取り除くのは、肉芽を防ぐためです。綿棒で擦っても、見ているほど本人は、痛みはありません。私の場合朝方に胃ろうが痛くなることもありますが、バルーンの先の出ている部分が、空腹になると当たることもあります。食事を入れるか、体の位置を換えると治ることもありますが、滅多にないことです。

またこんなこともありました、詳しかった先生なのに、私の胃ろうを見て周りが赤くなっていたので、幅5センチ長さ7センチくらいのテープを10枚くらい貼り付けられて、私もされるがままに見ていましたが、その夜の痛かった事、夜明けを待って全部剥がして貰い、痕を見ると胃ろうの周りは汗だらけで、ピリピリするやら痛いやらで参りました。それから数日は胃ろうのことは忘れて周りの皮膚に悩みました。日光浴をすると少し落ち着きました。

私が何時も言っていることは、医者の意見は6割、自分の判断は3割、運は1割と思うと言うことです。医者が気管切開して、胃ろうも造設していたら10割だと思いますが、同じ人間でも「痛いと言っても」痛さの度合いは分かりませんよね。


所詮自分の体は誰にも分かりませんよ。自分自身で把握して知っておくものです。人間は健常者も障害者も皆、人に生かされています。人間は最後まで夢を捨ててはダメです。

 

 

写真は現在の私の胃ろうです。

第14回支部総会

第14回支部総会

日時 2013年5月26日(日) 13:00~16:00

場所 徳島県立障害交流プラザ 3F 研修室

12:30~          受付開始

13:00~13:15     支部長挨拶 総会

第1号議案 24年度活動報告

第2号議案 24年度会計報告及び監査報告

第3号議案 25年度活動計画(案)

第4号議案 25年度予算(案)

13:15~13:30     記念写真

13:30~14:30     記念講演

「人工呼吸器装着者の危機管理」

仙台往診クリニック院長 川島孝一郎先生

14:30~15:00     質疑応答

15:00~15:15     休憩

15:15~16:00     交流会

16:00            閉会

 

 

活動計画(案)

    平成25年度 日本ALS協会徳島県支部活動計画(案)
   
4月 徳島県支部 第14回総会案内状発送予定
5月 一般社団法人日本ALS協会総会(東京)参加予定
  一般社団法人日本ALS協会25年度第1回理事会参加予定
  徳島県支部第14回総会予定
6月 徳島県支部会報33号発行予定
  日本ALS協会より厚生労働省へ陳情予定
7月 日本ALS協会ブロック会議参加予定
8月 役員会議予定
9月 一般社団法人日本ALS協会25年度第2回理事会参加予定
10月 徳島県支部第14回定例会予定
  鳥取県支部設立総会参加予定
12月 徳島県支部会報34号発行予定
   
平成26年  
2月 役員会議
3月 一般社団法人日本ALS協会25年度第3回理事会参加
  徳島新聞社会文化助成金贈呈式参加予定
  随時 患者宅訪問及びTEL相談受付

 

支部役員名簿

 

日本ALS協会徳島県支部役員名簿

支部長

長尾 義明

患者

副支部長

坂東 勝子

患者

運営委員

釈子 昭文

患者

岡本 富貴子

看護師

平澤 小百合

理学療法士

乾 幸子

介護職

岡田 弘子

遺族

森 美智子

介護職

安永 ひろみ

一般

米田 康広

遺族

事務局長

松浦 智恵美

看護師

事務局員

長尾 美津子

患者家族

会計

湯浅 智恵子

看護師

会計監査

坂東 利彦

患者家族

顧問

梶  龍兒先生

徳島大学神経内科教授

和泉 唯信先生

徳島大学神経内科臨床教授

川井 尚臣先生

日和佐病院内科院長

西田 善彦先生

伊月病院 院長

乾  俊夫先生

国立病院機構徳島病院医長

須見 昌輝先生

須見医院 院長

馬木 良文先生

あおぞら内科 院長

稲次 正敬先生

稲次整形外科 理事長